4年のAIHやICSIを経ての自然妊娠


4年のAIHやICSIを経ての自然妊娠
治療指針:生活提言:治療経過




治療指針



化学流産後より落ちてしまった腎気をたてたのちに、もともとある強い肝鬱をゆるめて妊 娠できる身体作りをおこないたい。




生活提言



30歳から34歳の現時点までの4年間にわたり、人工授精、体外受精などとステップアップなさり 妊娠に挑戦されていますね。

年齢的に30代からの不妊治療ですので、ある程度のタイミングなどの期間をおき、 人工授精にステップアップ、そして体外受精へとのステップアップは、当然の流れかと思います。 また、なるべく自然妊娠に近い状態でということで、人工授精の挑戦を多くしたのも、理解できるところです。

体外受精でも、胚盤胞が複数個できるなど、非常によい成績になっており、妊娠できないのが 不思議と言われる状況なのですね。

西洋医学的には、これらのステップアップの流れは時間的に無理があるものでもなく、 正しい選択だなと感じます。







しかしながら、お身体を拝見すると、なにより緊張が強いのです。この緊張の強さは、どの治療を 行おうとも、妊娠がしずらいだろうなあと思われます。ドクターから、再度の体外受精か、腹腔鏡による 治療を提案されているそうですが、どちらにせよこの身体の緊張感のままでは、よい結果に結び つくことが難しいだろうと想像されます。

現時点で生活に無理がないようですから、足腰を使う生活を心がけ、少し肩の力を抜いて 気負わず身体を暢びやかにするようにしていきましょう。また化学流産後から一段階身体の力を 落としています。週に一回以上の鍼灸治療と、毎日の自宅施灸もあわせ、身体の土台の 力を流産前の時点に戻していきましょう。

また、体重について、自己イメージ的に「重い」と思っていらっしゃるようですが、 155センチ45kgの体重では、BMIが18.7で瘠せの部類です。体重を48キロ程度に なるように意識して、BMIで20ぐらいを目指してくださいね。




治療経過



初診 使用経穴

百会、列缺、関元、中注、左湧泉、足三里、左三陰交
腎兪、左三焦兪、左胃兪、中膂兪、ミニ灸(左脾兪、申脈)

初診より一ヶ月半、16診にて自然妊娠







第二子の妊娠出産

34歳 ビッグママ治療室初診

36歳 自然妊娠ー出産

36歳 出産後、月に1-2度の頻度で鍼灸治療再開

産後、腰痛や足のむくみがひどくなる。気海関元の抜けが明瞭

37歳 生理再開 週に1度の頻度で鍼灸治療継続

子育てで身体が非常に疲れている感じがする。生活リズムを変えてみる(夜は早く寝て、朝早く起きる)

38歳 体調が全体によくなってきた。妊娠ー化学流産

流産後、腰痛などが出る。怒ったりすると腰が痛い。

39歳 妊娠

40歳 無事に安産にて出産。

治療を振り返って。

30歳からの妊娠希望で人工授精、体外受精、顕微授精と高度生殖医療を重ねたものの妊娠が成立せず、少し仕切り直しで挑戦した鍼灸治療にて無事に36歳での第一子出産となりました。

出産によってかなり気血を損傷し、もともとの腎虚肝鬱の状態が肝鬱はさほどきつくないものの腎虚を中心に悪化。全身の器が一段落ちてしまった。

産後、ほどなく鍼灸治療を再開。腎気を中心に少しずつ素体を立て直す治療となりました。37歳をすぎ、年齢要因もからんでなかなか妊娠が成立しませんでしたが、ご本人の希望により医療介入はせず、自然な妊娠の成立をまちました。化学流産があり、またそこで腎気を落としてしまい次の妊娠成立まで時間がかかりましたが、週に1度の鍼灸治療のペースを落とさなかったこと、ご自身でも生活のリズムをかえ、充分な睡眠を心がけて頂いたことにより、無事に妊娠、40歳での出産となりました。

おめでとうございます。

長い不妊治療となりましたが、第一子の高度生殖医療を頑張っても妊娠出来ず鍼灸での自然妊娠がご本人にとって非常に印象的だったようで、その後も、身体作りや生活を楽しみながら、不妊治療に振り回されず、ご自身の時間を楽しみながら無理なく身体作りをされ第二子の妊娠出産とつながりました。私も治療に寄り添わせて頂いた立場として非常に勉強になりました。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











一元流
しゃんてぃ治療院
ビッグママ治療室