低血糖・生理不順・不妊の弁証論治


低血糖・生理不順・不妊の弁証論治
治療指針:生活提言:その後の経過




治療指針



食事療法により落ちている脾胃の問題は、過渡期的には仕方がないものであっても、長期に続いてけば、また一段と器を小さくしてしまう可能性がある。脾胃の器の安定には脾胃の竈を暖める腎の陽気が不可欠である。腰がすーすーるという状態は、今も継続しており、腎の陽虚は明瞭である。

風邪の内陥が、肝鬱を強めている可能性がある。強い肝鬱は腎気への負担をきつくする。

腎気へと負担になっているものを取り去る。

第一に風邪を取り去る。

第二に現在の食事療法に対応できるように脾胃の器をしっかりと充実させる。

第三に腎の陽気を高め、腎気を流産前の状態まで戻し、妊娠するようにしていく。




生活提言



血糖値が乱高下してしまう低血糖症の症状と、現時点でどうにか折り合いのつくような状態で落ち着かれていてよかったですね。

ただ、現在の状態は、便通、腹脹の問題から、ご自身が自覚なさっているように非常に胃腸への負担は大きいものとなっています。つまり、この食事療法は、『低血糖症の症状がおきなくしてくれる』ものではありますけど、身体自身を養い症状がでなくなっているのではなく、身体には負担をかけながらも『症状が出ないようにしている』状況であると判断できます。

低血糖症の症状が出ること自体、身体の中に大きな変化(空腹とともに一気に手の力が抜けたり、震えたりんど)を伴いますので、症状がでなくなることも、全身の負担をとるという点からは評価できるものだと思います。ですので、症状が出なくなることを大切にしながらも、胃腸への負担を少しづつ軽減していく必要があります。

このためには、食事内容を少し工夫し、胃の張り残便感が少なくなるようにしていただければと思います。また、胃腸の力自身をアップさせるのも大事です。胃腸を養う経穴等を使って胃腸の状態をよくしていくことも、食事そのものが胃腸への負担とならない手助けとなるでしょう。







運動は、身体を養ってくれるというイメージがありますね。しかし、どんな運動でも身体を養うわけではなく、スポーツ選手が身体を壊してしまっているということもよく聞きます。注意が必要です。

もともと、非常に気の鬱滞(身体の中のストレス状態)が強い方だと思います。このストレス状態の解消に、激しい運動が役に立ったのでしょう。身体の中心が冷えて下痢をするほどの状態でも、体表で発汗して発散するということが、ストレス状態の解消になり、全身の負担をとったことが、ご本人のいわれる『体力がついた』という状況になっているように思えます。

つまり、身体を養うことによって体力がついたのではなくて、全身にとって大きな負担となっていたストレス状態を強制的に発散することが出来たので、楽になったわけです。これほどまでに強いストレス状態があること自体も問題ですが、このやり方は一歩間違えれば、中心の生命力を失います。スポーツ選手が身体を壊すパターンと同じことになってしまいます。

生命力の中心を大事にし身体を養うための運動は、毎日一時間、1万歩程度を目標に歩くことを中心に、足腰が充実するようなイメージでおこなってみてください。『ゆっくり走れば速くなる』という面白い本があります。これはマラソンランナー向けの本ですが、日々ゆっくり走ることで、身体が養われ、東洋医学で言うところの『腎気』がまし、結果としてパワーがつくので『速くなる』ということだと思います。この腎気をつけることがとても大切です。『ゆっくり』ということを心がけて運動してみて下さい。







身体作りの目標としては、低血糖症の症状の状況も含め、流産前ぐらいの身体の状態に戻していくようにしていきましょう。そうすることで、自然と妊娠もやってきてくれるのではと思います。

胃腸の器(脾胃)、生命力の土台の力(腎気)そのものを大きくすることが必要です。 これは、一朝一夕でできることではありませんが、少しづつ、確実に前に進むことの出来る方ですので、きっと上手く経過していけると思います。目標を持ってすすんでいきましょうね。




その後の経過



34歳

1月 不妊治療をはじめたら生理不順になった

8月 低血糖症のための食事療法をはじめる(溝の口クリニック食事療法)
   便通が改善される(残便感はある)、低血糖の頻度納まる。
   運動は週一で、ピラティスをし、たまに、筋トレ、ヨガ、ランニングを3キロ位
し、
   毎日、トータル1時間は、歩く

9月 ビッグママ治療室受診 週に1回の頻度で鍼灸治療、毎日の自宅施灸


10月 家でお灸をして身体が楽になった感じがする。
   食事療法のサプリメントを半分程度市販のものにする(ここから少しづつ減らす )

11月 お腹の張りが少しよくなってきた
   腰がすうすうするが、よく考えると以前よりはよい
   肉から魚にしたら少しおなかの張りが↓ また1ヶ月前に比べたら
   張って苦しいというい状況が減っている

12月 軽い食事にしたらやはり低血糖の症状も出やすい
   魚中心、炭水化物をやめて、
   残便感の多少あるが便通よく、お腹のはりもない
   玄米でも食後150になるのでやめた







35才

1月 10分程度の運動で血糖値が20下がるのを発見
   炭水化物まったくなし(スーパー糖質制限)
   体温は全体に下がった
   腰のスースー、手足の冷えがなくなった、カイロがいらない
   便通がよい

2月 2ヶ月間完全糖質制限をして、おかしを食べたくなくなった。
   玄米で160-180にあがって、低血糖へすとーんと落ちる
   体調もよく、高血糖もないが、体重低下が激しく(50キロから44キログラム)
   生理が2ヶ月ぐらい来なかった。また炭水化物が食べたくてしょうがなくなり
   大学病院へ糖尿病の検査に行く

3月 血糖値 1時間値で250 2時間で180 食品交換表の食事をはじめる

4月 ベイスンを飲み始める

9月 妊娠ー流産

11月 心身共に落ち着いてきた感じ
   無理をせずに頑張れる感じ、
   以前は「無理」をしていると思わなかったが、無理をしていたのだとわかってきた

12月 温経湯を飲み始める







36才

2月 体調もよくなり体温も上がってきた

3月 今年の花粉は楽 漢方も飲んでいるから?
   食後は下半身もバタバタさせる運動をしている(上半身だけではダメ)

4月 調子はよいが眠いだるいから抜け出せない→それでよいのではと

6月 インシュリンに慣れるために入院

7月 インシュリンは自由度が高く疲れにくい
   糖質制限は、制限が要求され、ガスが出る、お腹がはる

10月 妊娠
   つわりがひどい、食べつわり
   切迫早産、入院
   子宮頚管5センチが3.5センチに。
   退院後もお腹は張りやすく食事、お風呂、30分程度の家事意外は基本ベッドの上
   1日1600Kcal 食品交換表にのっとっての4回食、栄養士さんに相談して
   決めた献立に沿って毎日食べる。

 無事に3000㌘オーバーの男児を出産







出産後6ヶ月で妊娠前+2キロ 

 産後3ヶ月の時の風邪が2ヶ月治らず。少し不安定な体調。
   ここで薬を飲むために母乳をやめたら出なくなり断乳

 授乳中インシュリン2単位 食事制限はなしと言われているが、なるべく
 野菜を多くし玄米120グラムでタンパク質を取り間食なし

妊娠中の食事
朝8時 玄米100グラム 具だくさん味噌汁、魚、海藻、豆乳
11時 バナナ一本
昼12時 玄米150グラム 煮物 野菜の煮浸し 納豆
夕方16時 食パン(6枚切り)1枚、コーンフレーク20グラム 
   牛乳かヨーグルト サラダ 煮豆
夜8時 玄米100グラム 芋類、魚 蒸し野菜







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











一元流
しゃんてぃ治療院
ビッグママ治療室