昔から精神的なストレスがあるととても体重が増えるということより、精神的なストレ スは強い肝鬱を生じやすく、肝鬱により胃熱をおこし食欲が増進してくるタイプである と思われる。
また昼食後のみ頭がスースーする感じは、全身の気虚があるため、日中、割合と肝気が たった時間帯に、食事によって脾胃に気血があつまり、相対的に頭部から気が引けてく るために感じているのではないかと思われる。また、9月頃の夜間尿と爪の問題も、全 身の気虚があるため、夏を超えると腎虚を中心に気虚が目立ち、少しずつゆっくりと牛 乳を飲むことで回復されているのだと思われる。
36歳で結婚、2度の流産があった。流産自体強い精神的なストレスとなったこと、また 流産により腎気を落とし回復することがなかったために、肝鬱はより強くなり胃熱とな り食欲がまし体重を増加させた。1回目の流産ののち受けた食事指導により、玄米を中 心に食事をすること、豆乳などを飲むことでご本人にとって不足しがちな栄養は少し補 われることとなったが、脾腎そのものを養うことは出来ず、2回目の流産後には脾気が 明瞭におち食後の腹脹も生じるようになっている。このとき頭のスースーする感じがき えているのは、湿痰の増加により全身の気血の動きが悪くなったためではないかと思わ れる。
流産後に腎気が落ちたことによりいままで肝気の横逆があるもののなんとか素体を支え ていた脾気へのバックアップが弱くなったため、湿痰を生じはじめたことで、悪循環が 強くなっている。梅雨時の体調悪化や脾募がしっかりついていること、左の胃兪脾兪の 陥凹からも脾気落ちも明瞭である。
いつのころからか判然としないが、大椎の冷え、盛り上がり、左合谷の緩み発汗などか ら風邪の内陥があるのではないかと思われる。これにより生命力により負担がかかって いると思われる。
弁証
風邪の内陥
腎虚論治
温陽散寒
益気補腎
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