リュウマチ→糖尿病併発の弁証論治


リュウマチ→糖尿病併発の弁証論治
治療指針:生活提言:治療経過




治療指針



まず第一に、三焦兪から腎兪にかけての底が抜けたような経穴状態を目標に腎気の回復をはかる。
脾気の問題は、腎気の回復の状況をみながら、中かんの状態を診処にして回復をはかる。




生活提言



急速な糖尿病の進行によって、体重減少や、身体のだるさなどが強くおこりお困りのことと思います。

お身体を拝見しますと、身体の支えとなる土台の力(東洋医学では腎気の力といいます)が明瞭に落ちています。これは、いろいろな病気に対して受け止めていく力がなくなってしまっていることを示しています。胃腸の調子がどんどん悪化してしまったことも下支えになる腎気が落ちてしまっていたためで、このため糖尿病が発症したときに、急激な病状悪化となってしまったのでしょう。

生命力の土台となる腎気は年齢と共に少しづつ衰えていくことは誰にでもある当たり前の流れです。これが急速におこってしまったことが、今回の急激な病状の変化とつながっていると思われます。リウマチと上手くつきあうための長きにわたる投薬は、リウマチそのものの進行は抑え、生活の質を保証してくれるものではあったと思います。ただ、生命力の土台(腎気)に対しては、負担をかけ続けたものであるのは事実でしょう。







複数の病気を抱えると、それぞれの対応について難しいことも多いかと思います。

東洋医学では、その個別の病気、個別の症状に対応していくことよりも、丸ごと ひとつの人間としての有り様をみていきます。

鍼灸では、この生命力の土台である腎気の充実をはかることを目標としていきます。 これによって、リウマチや糖尿病をしっかり受け止める力をつけていきましょう。

ご自身の生活としては、すでに十分配慮なさっているかとは思いますが、 糖尿病対策のための食事療法は大切です。糖質との上手なつきあい方、そして胃腸の調子が悪いとどうしても不足しがちなタンパク質の摂取がポイントとなると思います。 少量頻回にして取るべき栄養はしっかりととりましょう。

また、睡眠は生命力の土台を充実させるもととなります。充分な睡眠を 心がけていきましょう。




治療経過



初診半年前 体重62キロ 空腹時血糖340 A1c14 尿糖+4 ケトン体+
   食事制限にて血糖値を落とすようにと言われる。1800カロリー。
   3ヶ月で一気に55キロまで減少 体重下げ止まり

ビッグママ 初診時 6月
 空腹時血糖240 
 百会 左後谿(中脘気海)温灸 三陰交、足三里温灸
 肺兪、右膏肓温灸 左胃兪、腎兪 温灸

1ヶ月半後(15診)中脘部に大きな塊、食事が食べられないと訴える
内科で相談するように指示→MRIにて悪性疾患を否定される。なんでもないと。

2ヶ月後(20診)少し食欲がアップ
 体重が52キロへ。中脘の塊が取れ始める。
 空腹時115 A1c6.2 

2ヶ月半後(25診後)
 腎兪に底ができはじめる

5ヶ月後(40診)
 初診時にあった、電気が走るような感じ↓
 末端の違和感も↓ 全体にだいぶ落ち着いている。
 左の内関、外関。百会7 足三里 左胃兪 三焦兪、腎兪







初診から半年で(糖尿病発症から1年)かなり落ち着いたところまできたという感じです。
初診時の電気が走るような感じや末端の違和感もとれ、全体に落ち着いています。
また、リウマチの状況も肘の痛みなど改善できるところまできています。
腎兪、三焦兪のきつい抜けがなくなり、底上げされるのと連動して、ご本人の
だるさ、疲れやすさなども改善されています。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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