治療指針:生活提言:治療経過


『卵の質はよくなるのでしょうか?』弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



IVF-ET(体外受精ー胚移植)に挑戦するも、卵の状態がよくなく、採卵までも致らない、卵がとれても、なんとか移植できるという程度の卵(受精卵)しか出来ず、『卵の質が悪いために妊娠出来ない』とドクターから言われている状態です。

ストレスの強い20代の前職では、残尿感、夜間尿、尿切れの悪さを引き起こしている。転職後にそれがなくなったことにより、肝鬱が、腎気にまで直接影響を与えやすい方ではないかと考えられる。

29歳のときの転職により尿意にまで影響を与えるような肝鬱が落ち着いたものの、同じ頃、アパートから一戸建てに引っ越したことを契機に体温が明瞭に下がり、風邪を引きやすくなってしまった。これは、精神的な強い肝鬱があったことで、尿意には直接的な影響がなくなったものの、腎気には負担をかけ続けたこと。また、一戸建てへの引っ越しで身体が冷えたことにより腎の陽気不足を引き起こしたのではないかと考えられる。また強い肝鬱が緩み気が抜けたことで逆に外邪の進入を許し、腎気の弱りがあったため風邪の内陥となり、肺気の弱りと腎の陽気の弱りが強く表れたのではないかと思われる。







切診をすると、目立つのは肺兪の陥凹発汗であり上背部は腠理の粗であり、皮膚は弾力があるものの表面が薄っぺらくぺらぺらしている。これは肺気の弱りが長く継続し、形態にまで影響を及ぼしているのではないかと考えられる。また、腹部の気海から関元の舟形の抜け、三焦兪の奥深い陥凹、腎兪の陥凹などは腎気の弱りが明瞭であることも示している。

足三里の冷えが上がる状況、季肋部の脾募などから、脾気の問題が肺気への養いを不足させそれが皮膚の質感にまで影響を与えるということになっていると考えられる。腎の陽気不足が脾気へ影響し脾の陽気不足、湿痰の発生、そして肺気へ影響し皮膚の質感へとつながっていることが考えられる。去年の夏より、なんとなく体重が増えてしまったことも、脾気の低下、湿痰の増加を示していると思われる。肺気が弱り風邪が内陥しているので風邪も引きやすく、正邪の闘争が起こり続けることにより肺気そのものを痛めること、腎の陽気を奪い続けることにもなっている。

現時点で、問診上は、便通もよく、夜間尿が1度(明け方に尿位でおきる)、食欲もあり、腹のはりもなく、睡眠も状態がよいということであるが、体表観察からみると、風邪の内陥、肺気の弱り、脾気、腎気の問題は明瞭である。とくに、皮膚の薄っぺらくぺらぺらしている状況は、特徴的で、腎の陽気不足、風邪の内陥が、肺気に強く影響を与え弱らせていると考えられる。現時点の状態は、日常生活をいとなむのにはご本人の意識にのぼるような影響を感じさせないレベルではあるのかもしれないが、妊娠に致らないと言うことを考えると、五臓への強い継続的な負担が、任衝脈の養いの不足を引き起こし、不妊の状態になっていると考えられる。




弁証論治



弁証 風邪の内陥 肺気虚 腎陽虚 
論治 疏風散寒 益気補肺 温補腎陽 







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時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

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