治療指針:生活提言


不育、不妊、強い肝鬱弁証論治
病因病理:弁証論治




病因病理



子供のころから、コロコロと首を回さないとダメというように、気滞が生じやすい傾向があった。また。ご自身が疲労のサインと感じる状態は、呼吸がしにくく普通に座ることもできないほどぐったりとなっている状態である。これは、この方が、まともに座れないという非常に弱った状態になるまで『疲労』という腎気の弱りを感じることができないということであり、肝気をはって頑張っているときには、他の状態は意識にのぼらないということであろう。







このように、ご自身の素体の状態を意識せずに、強く肝気を張って過ごすことが多かったので、 20歳のころには、楽しかったが忙しいというときに、胃潰瘍と顔面神経マヒを生じる。強い肝気が横逆して胃を犯したり、顔面部に肝気が上逆して機能失調を生じさせたり、末端には肝気が鬱滞して熱を籠もらせリウマチではないかといわれる指先の腫れを生じさせたのではないかと思われる。しかしながら20歳と若かったため、腎気の回復により肝気が納まるにつれ、局所の問題は局所の問題として解決していったのではないかと思われる。

仕事をするようになり、仕事中は常時強い肝気を張る必要が生じた。それにより、肝気が上逆して心をつき心熱を生じて口内炎となり、耳を犯し耳鳴りを生じた。

26歳の結婚により人付き合いが増え、休みがなくなり、腎気が一段と落ちてしまったため、腰痛を感じるようになり、日常生活を支えるために肝気が立つことが必要となり、より強い肝気が常にたっている状態となった。肝鬱が強くなったので耳鳴りにはプチプチという音がくわわり、肝気が肺気を鬱滞させ困窮させたため疲れてくると呼吸がしにくいと言う状態になった。

こののち、仕事を減らしたことにより肝気の高ぶりは小さくなり呼吸の問題、耳鳴りが軽減。心熱も緩和され口内炎も減った。しかしながら腎気は補われることがなかったので、腰痛は継続している。







妊娠への挑戦をはじめたころより、高温期11日目頃に、夜におなかがグルグルなったり(下痢をしたいような感じではなく、暴れ回る感じ)、吐き気、発熱、眠れなさ、イライラなどがおこっている。

気が裏に帰す時間帯である夜でありながらお腹がぐるぐる鳴って暴れ、同時に吐き 気がし、眠りにくく、イライラが押さえられないという状態は、肝気が高ぶっているこ とを示している。

高温期は腎気の支えの元、任衝脉の気血が充実し、陽気が高ぶる時期である。 本症例では、その陽気の高ぶりが非常に強く、生理的な範疇をこえて肝気があばれ 回っていることを示している。







右膈兪から三焦兪まで筋張り、右三焦兪 陥凹、両腎兪のやや陥凹、そして足首の冷えは 腎気の弱さを示している。高温期に気が上逆して収まりにくいと言うことは、肝気の高ぶりを 裏に納める力である腎気が不足していることによるのではないかと思われる。

子宮は下焦に存在し、腎気によって支えられる。強い肝気の上逆によって下焦における気は相対的に薄くなり、子宮を養う任衝脉の活動の低下にもつながる。

また、子宮そのものにも、月経血に塊が混じるなど強い気の濃淡があり、妊娠が継続しづらくなっているのではないかと思われる。




弁証論治



弁証

腎虚肝鬱
子宮を養う任衝脉の滞り

論治

疏肝理気

益気補腎

養任衝脉







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











一元流
しゃんてぃ治療院
ビッグママ治療室