時系列の問診


子宮内膜症の弁証論治
主訴:問診




29歳、女性 専業主婦
身長:162cm、体重:52kg
家族構成:夫

主訴・・・不妊、生理痛

肉親の病気の遺伝的傾向:父親が高血糖。母親が高コレステロール。
姉と妹がアトピー性皮膚炎。







【主訴の生理痛、及び婦人科系について】

初経11歳。
生理周期は26日、5~7日間(昔から)。
生理の血状は血液にたまに小さい塊が混じる。血色は出血した時の色。
生理2日目は量が多いが、全体量は普通。
妊娠、出産、流産の経験は無し。
結婚24歳。

生理痛は17歳(高校)くらいから感じるようになり、20歳頃から量は多くないものの生理痛が酷くなった。24歳で子宮内膜症の診断となるが、20歳から25歳までは、生理痛で寝込んだり、嘔吐、失神したりするほど酷かった。痛み止めの内服、座薬が効かず、安定剤と麻酔を点滴していた。

27歳でラパロ手術を受ける(診断名:子宮腺筋症、内膜症、ステージ4)。以降、経過観察となり、29歳現在は左右の卵巣に小さなチョコレート嚢腫があり、ダグラス窩にも内膜病巣がある。

生理痛は手術以降ほとんど無かったが、今年2月頃からまた徐々に生理痛が起こり始めている。生理痛の薬は飲まずに過ごせている。現在、生理痛はよくあり、生理前には下腹部と腰に鈍痛、むくみやすくなり、生理が始まって3日目くらいまでは下腹部に刺すような痛みが出る。生理6~7日目は出血は無くても下腹部痛があり、10日目から14日目(排卵)くらいが1番体調が良く疲れを感じなくて元気がある。

生理痛は朝起きた時から痛くて、そこを何とか我慢して起きて動き始めると楽になり、仕事に行って立ちっぱなし、動きっぱなしの時間帯が一番楽、夜は朝ほどではないが痛みを感じる。手術前はさすがに痛すぎて動けなかった。夜は痛いと思ってもお風呂に入ると痛みが楽になる。

生理痛は体が冷えている時に痛むことが多く、クーラーや冬の冷えで生理痛は余計に痛くなる。梅雨時にも生理がきつくなるが、これは冷えるからではなく、雨だと気分がスッキリしない上、体が気圧の変化に付いていけないからではないかと思うとのこと。また、チョコレートや生クリームを食べた時、疲れている時にも、生理痛が起こりやすいと思う。

手術後、掛かりつけの漢方医に体重の変化を記録するように言われて、体重の変動が月に2~3kgあることに気付く。生理数日前~生理中が一番重くてプラス2~3kg、生理終了から徐々に減って、排卵時期が一番軽く、排卵後徐々に体重が増える。月によって増減の幅は違うが、鍼灸治療を受ける前のほうが増減が大きい月が多かった。最近では、6月の生理前は3kgくらい増え、その後不正出血や腱鞘炎があり、この時期にどーんと体重が減った。今月の生理の前はあまり増えていない。

2年位前から、生理前にむくむことに気がつく。顔が浮腫んでいることに最初気付いて、足を見るとやはりむくんでいるので、体全体が浮腫んでいると思うとのこと。







【疲れやすさについて】

23歳で仕事を始めた頃から疲れやすくなった。朝起きた時から疲れていて、日中仕事をしているときは気を張っているが、家に帰ってからまた疲れがどっと出ていた。この疲れと一緒に、気分の落ち込みもあった。

去年末に鍼灸治療を受けるようになって、疲れ、気分の落ち込みはましになり、現在は落ち着いている。







【ふだんの状態について:その2】

風邪・・・風邪は年に1~2回くらい引く。風邪を引くと咳がいつまでも残る。

食事・・・食欲は普通、食事時間は朝7時、昼13時、夜20時で規則的。食事時間は15分、空腹感はよくあり、普通に噛んで食べている。食事はいつもおしい。食後にお腹が張ることはめったにない。
よく食べるのは、白米、パスタ、豚肉。好きなものは、甘いもの、果物、肉、魚、辛いもの。嫌いなものは、牛乳、カップ麺。

間食・・・週に3~4回。子供の頃から甘いものを全般に間食するが、ここ半年くらいはチョコレートは我慢して、最近は和菓子(水羊羹)を食べている。

水分摂取・・・就職した頃にデトックスが流行り、その頃から意識して水分を取っていて、1日2リットル以上は飲んでいる。初めから2リットルくらいはすんなり抵抗無く飲めた。初めの頃はコントレックスのような硬水を飲んでいたが、お腹が冷えて下痢しやすくなったり、肌が荒れたりして、自分には合わないような気がしてコントレックスは止める。以降は、水、玄米茶、ルイボスティー、紅茶、炭酸ジュースを飲んでいる。軟水で下痢をすることはなく、お茶を飲むと小水の回数は増える。コーヒーは大好きだが我慢している。口の粘々感は20歳頃から感じていて、今も口が粘ることは極たまにあるが、鍼灸治療を受けて減ってきた。

飲酒・・・大好きだがほとんど飲まない。飲むときは、ビール350~500ml+酎ハイ350ml+梅酒コップで1~2杯くらいは飲む。

タバコ・・・吸わない。

お通じ・・・1~2日に1回、すっきり出る。便は、バナナ状、こぶし大で、便器にに付着して取れにくいことはめったにない。汲み取り程度の臭いがすることは時々ある。

小便・・・1日5~6回。尿の色が黄色の時はたまにあるが、その他残尿感や夜間排尿など問題なし。

睡眠・・・0時前後就寝、5時半起床。寝付きはよく、眠りは深く、寝起きもよく、翌日に疲れが残ることも無い。以前は恐い夢を見てうなされることが多かったが、ここ数ヶ月はほとんど夢を見ない。たまに夢を見ても恐い内容ではない。

足の冷え・・・25才頃から冷えを感じるようになった。だが、その頃掛かってた漢方の先生には「実際はそんなに冷えてない、そう感じるだけ」と言われる。末端が本当に冷たく感じるようになったのはもっとあとの方だと思うが、ハッキリとした時期は不明。一年以上は前だとのこと。鍼灸治療を受けるようになって冷えは気にならなくなった。







【鍼灸治療を受けるようになって変化したこと】

生理前の乳房脹痛、吐き気、イライラが無くなった。
生理に伴う体重の増減が大きい月が減った。
常時あった疲れやすさ、気分の落ち込みが随分減った。
足の冷えが気にならなくなった。
口が粘る感じが減った。
寝付きがよくなり、眠りも深くなり、翌日に疲れが残ることがよくあったのが無くなった。恐い夢も見なくなった。
便秘でお腹が張ることが時々あり、便秘薬を使うこともあったが、それが無くなった。







【他に治していきたい症状】

以下のアレルギー症状を治したい。

・季節の変わり目の喘息・・・上記参照。
・肌が痒くなりやすい・・・生理との連動は意識したことはない。虫さされの痒み、古傷(お灸のやけども)の痒みが起こりやすい。特に原因もなく全身あちこち痒くなることもある。蕁麻疹ではない。上記参照。







主訴:問診

時系列の問診

切診

五臓の弁別

病因病理:弁証論治

治療指針:生活提言











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